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【WEBマーケティング第2回】ショッピングモールの特徴と売上の方程式や販売戦略の考え方

ショッピングモールの特徴

 

るるやま
るるやま
今日は、元ECコンサルタントの実務経験で学んだECのはじめかたや数値改善の方法についてご案内します。

本記事の内容

この記事を読んでいただくと、ECの基礎が学ぶことができます
・元ECコンサルタントの視点で、ECサイトのWEBマーケティングについてご理解頂けます。
・これからECを立ち上げようとする方、ECサイトを運営して売上を上げようとする方に読んで頂きたいです。

通販事業者のランキング

売上ランキング

まず、通販市場の主要プレイヤーについて考えます。
通販事業者のランキングを2010年と比較すると、少しずつプレイヤーが変わっていますが、Amazonの強さは変わらずです。

2010年に上位だった千趣会やディノスといった企業がランキング外になっており、カタログ通販という紙媒体業種のニーズが低下していると思われます。 (単位:百万円)

2018年売上高2010年売上高
第1位Amazon1,528,000Amazon839,900
第2位アスクル387,470アスクル276,759
第3位ミスミグループ331,936ベネッセ218,455
第4位ジャパネットHD203,400ミスミグループ208,562
第5位ベネッセ180,560ニッセン208,370
第6位大塚商会159,285ジャパンネットたかた153,830
第7位ジュピター159,285ジュピター135,525
第8位ベルーナ125,457大塚商会128,783
第9位ヨドバシカメラ121,277千趣会121,851
第10位ZOZO118,405ディノス・セシール113,379

インターネットショッピングモールの流通総額

次に、ECに取り組む上で重要な、インターネットショッピングモールの動向を考えます。2018年の流通総額は、楽天経済圏がトップで、その次にAmazon、Yahooと続きます。

Yahoo!ショッピングは、出店料等を無料化して以降店舗数が急激に増加しているため、優良店舗を集めたPay Payモールを2019年10月に開始しています。

順位企業名流通総額※1店舗数※2商品数会員数
第1位楽天3,4310億円49,500店27,700万10,700万人
第2位Amazon2,7513億円
第3位Yahoo1,9517億円87万店4,400万人
第4位ZOZOTOWN3,056億円1,245店舗
第5位Make Shop1,594億円22,000店舗

(出典:各2019年3月期IR資料等)

ECのはじめ方

ECを始めるためには、お店の構築から注文決済、顧客管理、物流、分析など多くのインフラが必要になります。

BtoB導線
そこで、ECを始める際は、一定機能を備えたショッピングモールやEC専用ASPの利用により、効率的に始めることがベストです。

ショッピングモールとEC専用ASPのメリデメ

ショッピングモールEC用ASP
メリット1.高い集客力
2.ツールが豊富
3.豊富な運営ノウハウ
4.高い販売促進力
1.独自ドメイン
2.顧客データ自社保有
3.高い自由度
4.低コスト
デメリット1.機能の制約あり(外部リンク・顧客データダウンロード不可等)
2.出店・運用コスト高
3.ドメインはモール
運営を全て自分で実施

ショッピングモールとEC用ASPの違いは、自由度のあるサイト運営が可能かどうか、という視点が大きな違いです。また、独自ドメインでの運営には、知識が必要なため、まずは、ショッピングモールからスタートする形が良いと思います。

主要ショッピングモールの特徴

主要なショッピングモールの特徴は、下記になります。
モールのサービス比較

上記を元に出店のコストを比較すると下記になります。

楽天
レギュラープラン
Amazon
大口出品
Yahoo!ショッピングWowma
コミコミプラン
【必須項目】
①初期費用
②基本料金
③販売手数料
④ポイント手数料(1%)
⑤アフィリエイト手数料(1.3%)
60,000円
50,000円
150.000円
50,000円
19,500円
0円
4,900円
750.000円
50,000円
0円
0円
0円
0円
50,000円
19,500円
0円
4,800円
429.000円
50,000円
0円
小計 
(任意)
決済手数料
(クレジット約6割3%で想定)

329,500円(6.59%)

90,000円

804,900円(16.09%)69,500円(1.39%)

90,000円

483,000円(9.68%)
合計419,500円(8,39%)804,900円(16.09%)159,500円(3.19%)483,000円(9.68%)

今まで見てきた市場動向や主要プレイヤーから分析して、
るるやま は、まず、やはりコストが最も安いYahoo!ショッピングの出店からスタートすることを、オススメします。

ECサイトの運営方法

ECサイトを運営する際に、現状を分析して様々な改善につなげるために、下記の公式は必須でです。各KPIは、日、週、月、年単位で把握しておく必要があります。

また、模範となるお店をベンチマークしておくことも重要です。楽天やYahoo!ショッピングでは、全体や各商材のカテゴリごとに店舗を表彰して公開しているので、参考にしましょう。

(1)楽天:楽天SHOP OF THE YEAR 2019

(2)Yahoo!ショッピング:BEST STORE AWARDS

ECサイトのKPI

ECサイトの売上の方程式は、下記になります。売上を向上させるためには、①新規顧客数の増加、②コンバージョン(転換率)の改善、③客単価の向上、が必要です。また、既存顧客となったお客様に再度来店頂く、④リピート率の向上も重要です。

ECサイトのKPI

また、その他の指標として、お店の回遊性を表す⑤PV /顧客数(1ページあたりの顧客数)や⑥や⑦の各種ページやカート内の離脱率も重要な指標です。

ECサイトの販売戦略

ECサイトの販売戦略は取扱商品ごとに異なります。大きく、価格比較型商品と購買喚起型商品という2つに分類してご説明します。

価格比較型商材=目的購入型

(1)基本戦略
商品カテゴリは、PC・家電・本・CD、DVD、スポーツ用品・ペット用品などのJANコードを持つ商品群です。
価格比較型商品の販売戦略は「顧客数の最大化」です。お客様は既に欲しい商品がわかっており、商品を検索で探す方が多い商品群=目的購入型です。そのため、多くのお客様にお店に来て頂くためには、下記2つのポイントがあります。

1.商品数の最大化を目指すこと
お店の入口である商品ページの数を可能な限り増やし、多くの選択肢をお客様に用意することで集客を増やす。
2.販促投資よりも価格投資を重視すること 
検索結果で上位に表示されることで比較優位性を確保し、集客を増やす。

(2)ストア設計
お店の作りは、下記2つのポイントがあります。

1.シンプルな商品ページ
商品仕様は既に分かっているお客様が多いので、価格とスペック情報を簡潔・明確に伝える商品ページが良いと思います。関連商品設定では、異なるスペックの同メーカー商品や他社の同スペック商品を陳列するとコンバージョンが向上します。
2.上部にカートを置く 
カートは、可能な限り上部におくことで、お客様の購入距離を最短にしておくことが重要です。

参考となるサイトは、Yahoo!ショッピングの部門賞を受賞している下記になります。
(家電カテゴリ)上新電機
(ソフトカテゴリ)タワーレコード
(スポーツカテゴリ)ヒマラヤ
(ドラッグカテゴリ)インディアン

購買喚起型商材=探索購入型

(1)基本戦略
商品カテゴリは、食品、ファッション、インテリア、雑貨などの商品群です。
購買喚起型商品の販売戦略は、「コンバージョンとリピート率の最大化」です。お客様はまだ明確に欲しい商品が分かっていない状態で、様々な商品をお店の中で探して、お買い物を楽しみながら購入する方が多い商品群です。そのため、来店頂いたお客様に確実に、お店内を回遊して購入をして頂くために、下記2つのポイントがあります。

1.回遊性の向上
商品ページやカテゴリページに来店してきたお客様に対し、お店内で他の商品を比較購買して頂くために、様々なページを回遊して頂く導線づくりを行う。
2.CRMの促進 
価格比較型と比較するとお客様の来店数が少ないため、一度購入頂いた既存のお客様に対するリテンション(再来訪)を促す取り組みを強化する。

(2)ストア設計
お店の作りは、下記2つのポイントがあります。

1.情報量の充実した商品ページ
お客様が買いたくなる商品開発のストーリーや機能的な付加価値、既に購入したお客様のレビューをしっかりと記載し、購入の動機付けを行う必要があります。
2.分かりやすく訴求力のあるナビゲーションの設定 
お店の中を回遊して様々な商品を比較購買して頂くために、分かりやすいカテゴリ設定やお勧め、関連商品設定、ストアランキング表示などが必要です。

参考となるサイトは、下記になります。
(食品カテゴリ)スーパーケーキプロデュースドバイオーガニックサイバーストア
(インテリア・雑貨カテゴリ)アンジェ web shop
(ファッションカテゴリ)オシャレウォーカー

本日ご紹介する本は2つです。

1冊目は、ECサイトをこれから始める方も、今既に運営している方も読んでいただきたい本です。ウェブアナリスト小川卓さんの執筆ですが、特に、どのようにKPIを設定して、分析を行い、改善を進めるかについては、とてもわかりやすくまとめられていると思いました。


2冊目は、今後の流通について考え、新たな示唆を与えてくれるので、流通関係の方には読んでいただきたい本です。株式会社いつもの副社長望月智之さんの執筆ですが、「デジタルシェルフ」という新たな概念に触れながら、人の「買い物」行動がどのように変わっていく可能性があるのかを考えることの必要性を感じる本です。


電子商取引市場の動向とアクセス解析の基礎についてまとめました。

今日も、記事をお読みいただき、ありがとうございました!次回は、「ECの方程式の各項目ごとのチェックポイント」をテーマに記事を記載したいと思います。るるやま @ruruyamasan でした。