るるやま診断士「新NISAは始めたけれど、もっと効率的に資産を増やしたい」 「投資に興味はあるけれど、元本割れのリスクが怖くて踏み出せない」そんな悩みを持つ方に、私が20年以上前から実践し、着実に利益を積み上げてきた手法が「IPO(新規公開株)投資」です。
1. はじめに:なぜ「IPO投資」はリスクを抑えた手法なのか?
IPOとは、「Initial Public Offering」の略称で、「新規公開株」と呼ばれています。具体的には、上場してない企業が、新しく証券取引所に上場し、投資家に株式を購入してもらって資金調達をすることです。
中小企業診断士として多くの企業の財務を見てきた私の結論は、IPO投資はギャンブルではなく、「損失リスクを抑えた投資方法」だと思います。この記事では、その実施方法を公開します。
IPOの株式は、上場する前に証券会社に申し込みをして、その株式を購入する権利を抽選で得ることができます。その権利は、上場日に初めての価格(初値)で売れば、リスクを抑えて利益を出せる可能性があります。
IPO投資がリスクを一定程度抑えることができる理由は、下記になります。
- IPOディスカウント(割安設定): 公募価格は、多くの場合、企業の実力や将来の成長性に対してディスカウント(割安)な価格に設定されます。これにより、初値が公募価格を上回る(初値上昇)可能性が高くなり、投資家にとってのダウンサイドが抑えられます。
- 買付手数料が無料: 一般的にIPO株の購入時の手数料は無料であるため、売買コストを抑えられます。
- ロックアップ制度: 創業経営者やベンチャーキャピタルなどの大株主に対し、上場後一定期間は株式を売却しないよう契約を交わすことで、急激な売り圧力による株価暴落を防いでいます。
- 抽選の仕組み: 当選しないと購入できない仕組みのため、資金が凍結される期間はあるものの、購入できない(投資できない)ことが逆に大損失を避ける要因ともなります。
2.過去の公開価格と初値の傾向
企業は上場を成功させるため、投資家にとって魅力的な「少し安めの価格(公開価格)」を設定します。上場当日に市場で初めてつく価格(初値)が、この公開価格を上回れば、その差額が利益になります。
この初値が公開価格を上回る確率は、過去データでは、IPO銘柄の約8割とされていて、初値のリターンも平均30%以上の年が多いです。そのため、この投資方法は非常に人気があり、申し込み後は抽選で購入可否が決定します。万が一抽選に外れても、申し込んだ資金が減ることはなく、手数料も無料です。
(1)過去5年間のIPO数・初値勝率・リターン等
下記表は、過去5年間の日本のIPO(新規上場)について、直近5年(2021〜2025年)①初値勝率(初値>公開価格の割合)②初値リターン(公開価格→初値の平均騰落率)等を、同一ソースの年次集計で揃えて表にしたものです。 IPO数は年々減少していますが、初値勝率は安定して70%以上であることがわかります
| 年 | IPO数 | 初値>公開価格(勝ち数) | 初値勝率 | 平均の初値リターン(騰落率) |
|---|---|---|---|---|
| 2025 | 65社 | 53社 | 82% | +33.8%(約1.3倍) |
| 2024 | 86社 | 64社 | 74% | +30.5%(約1.3倍) |
| 2023 | 96社 | 67社 | 70% | +54.9%(約1.5倍) |
| 2022 | 91社 | 72社 | 79% | +46.5%(約1.5倍) |
| 2021 | 125社 | 103社 | 82% | +52.5%(約1.5倍) |
(3)上場後の長期パフォーマンス(1年〜数年)
「初値で売れば利益が出やすい」という話はよく言われますが、一方で長期的な株価パフォーマンスは、初値ほど強くない傾向があります。そのため、IPO投資では、初値時点で売却する選択肢を取る方が多いです。
※海外の研究ですが、日本市場でも1997〜2024年分の統計をまとめたものがあり、 上場直後の株価上昇は大きく、その後1年〜数年で修正・収斂するケースが多い という傾向が部分的に確認されています。
3.IPO投資を始めるための5ステップ
IPO投資を始める方法は、次の5つのステップになります。
まずは複数の証券会社に口座を作ります。1社だと抽選に合格する確率が減少するためです。
抽選前に資金が必要な口座と必要としない口座があります。それぞれの特徴は下記表の通りです。
上場前のスケジュールを確認し、期間内に申し込みを行います。上場日の2週間位前に申し込み期間が設定されることが多いです。
当選したら、購入の意思表示をします。これを忘れると購入の権利を失います。
原則として、上場当日の朝に「成行売り」注文を出し、初値で利益を確定させます。
4.IPO投資を行う証券会社の特徴(資金有無別リスト)
IPO投資は、証券会社を通して申し込みを行う必要がありますが、証券会社を選ぶポイントは3つあります。
1.IPO株式の取り扱い数が多いこと。
抽選決定のため、できる限り多くの抽選に参加するためにも取り扱い数が多い証券会社の口座開設は必須です。
2.IPO株式の抽選方法が平等抽選方式の構成比が高いこと。
店頭で優良顧客に優先的に割り当てる構成比が高いと、抽選に回る口数が少なくなるため当選確率が低くなるためです。
3.抽選前は投資資金がなくても抽選に参加できること。
証券会社の口座に、必要資金がないと抽選に参加できない証券会社が多いですが、1部証券会社は当選後に入金すれば良い方式の会社もあり、気軽に参加ができます。
資金が必要な口座と必要としない口座の特徴
| 項目 | 資金が必要な口座(前受金あり) | 資金を必要としない口座(前受金なし) |
|---|---|---|
| 資金が必要なタイミング | 申込(BB)時点 | 当選後の購入申込時 |
| 申込時の現金 | 必要(想定価格 or 公募価格×株数分が拘束) | 不要(口座残高ゼロでも申込可) |
| 当選後の支払い | すでに拘束済み(不足がなければ自動) | 購入期限までに入金が必要 |
| 落選時 | 資金は即時または後日解放 | そもそも資金拘束なし |
| 抽選の公平性 | 高い(完全抽選が多い) | やや低い場合あり(裁量配分混在のことも) |
| 資金効率 | 低め(多く申込むほど資金が必要) | 高い(少額資金で多数申込可) |
| 当選後に入金できない場合 | 基本なし(事前に入れているため) | 購入辞退・ペナルティの可能性あり |
| 向いている人 | 資金に余裕がある/ポイント狙い | 資金効率重視/IPO申込数を増やしたい人 |
資金が必要となる証券会社
| 証券会社 | 資金が必要なタイミング |
|---|---|
| SBI証券 | 申込(ブックビルディング)時 |
| SMBC日興証券 | 申込(ブックビルディング)時 |
| 大和証券 | 申込(ブックビルディング)時 |
| みずほ証券 | 申込(ブックビルディング)時 |
| 楽天証券 | 申込(ブックビルディング)時 |
資金を必要としない証券会社
| 証券会社 | 資金が必要なタイミング |
|---|---|
| 松井証券 | 当選後の購入申込時 |
| 岡三オンライン | 当選後の購入申込時 |
| マネックス証券※ | 当選後の購入申込時 |
| 東海東京証券系 | 当選後の購入申込時 |
5.厳選!IPO投資に必須の証券会社比較
全ての証券会社の口座を開設することが難しいため、IPO投資に適した証券会社を選択することも必要です。2025年のIPO株取扱数の多い順に、口座の開設をおすすめします。


| オススメ度 | |
|---|---|
| IPO株取扱い数 | ダントツNO.1の取り扱い数で、2025年94社中89社(取扱い率約95%) |
| 開設口座数 | 国内NO.1の1500万超の口座開設数(2025年末) |
| 抽選方法 | 70%抽選配分・30%IPOチャレンジポイント配分(店頭配分あり) |


| オススメ度 | |
|---|---|
| IPO株取り扱い数 | 国内NO.2の実績で、2025年94社中62社(取扱い率約65%) |
| 開設口座数 | 460万口座 (2025年末) |
| 抽選方法 | 平等抽選10%・ステージ抽選5%(取引実態等により抽選機会増加)・担当者配布85% |


| オススメ度 | |
|---|---|
| IPO株取扱い株数 | 2025年94社中53社(取扱い率約56%) |
| 開設口座数 | 230万口座(2025年末) |
| 抽選方法 | 平等抽選100% |
6.【実体験】セルソース(4880)で掴んだ成功と、落選から学んだこと
ここで私の具体的なエピソードを紹介します。2019年に上場した「セルソース」に当選した際の話です。
一撃で得た利益と、その後の行動
当時、私は複数の証券会社から地道に申し込みを続けていました。当選の通知が来た時の高揚感は今でも覚えています。
- 結果: 公開価格 2,280円 → 初値 4,625円(利益 +234,500円)
この利益は単なる「お小遣い」にはせず、家計のBS(バランスシート)を強化するための再投資原資に回しました。
落選が9割。だからこそ「仕組み」が重要
もちろん、9割以上は落選します。しかし、落選を「失敗」と捉えるのではなく、「次の当選確率を高めるためのデータ収集」と考えるのが診断士のマインドセットです。
7. IPO投資の「3大リスク」と経営的回避策
IPO投資は、メリットばかりではありません。株式投資である以上、リスクも存在しますので、代表的なリスクを3つご紹介します。
リスク1:公募割れ(市場の選別)
市場環境が悪い場合、初値が公開価格を下回ることがあります。
- 回避策: 「D・Eランク」と評価される銘柄(業績不振や、需給が重い大型案件)は、申し込みを見送る勇気を持つこと。
リスク2:資金の拘束(キャッシュフローの硬直化)
抽選時に資金が必要な証券会社ばかりを狙うと、他の投資機会を逃します。
- 回避策: 岡三オンラインや松井証券のような「資金不要口座」をポートフォリオに組み込み、資金効率を最適化します。
リスク3:スケジュール管理のコスト
年間約90社の上場を追いかけるのは大変です。
- 回避策: IPO管理アプリやブログを活用し、ルーティン化すること。
8. IPO投資で得た利益の「出口戦略」
IPOで得た利益をどう使うか?ここに「診断士るるやま」の独自性があります。
- 税金の確保: 利益の約20%は分離課税されます。まずはこれを別口座へ。
- 新NISAへの充当: 利益を新NISAの「成長投資枠」に入れ、高配当株やインデックス投信を購入。
- 自己研鑽(学び)への投資: 一部の利益を資格試験(CFP®や診断士の更新)の費用に充てる。
「投資で得た利益が、次の学びを生み、さらに人生の選択肢を広げる」 このサイクルこそが、私の提唱する「人生の経営計画」の重要な部分になります。
9.IPO投資に関する情報サイト
IPO株に関する情報は、各証券会社では、当然ですがその会社で取り扱う株式しか情報がありません。どんな銘柄が、どんなスケジュールで申込ができるかは、様々なWEBサイトで掲載されているので、参考にすると良いと思います。
るるやまが参考にしているサイトが3つあります。
検索上位にある下記3サイトは、IPO株式の概要やスケジュール、予想利益の分析まで、とても充実した情報があるので、とても勉強になります。また、長くブログを運営されているので、信頼性も高いと思います。
(1)「庶民のIPO」さま
(2)「やさしいIPO株のはじめ方」さま
(3)「96ut.kabu」さま
特に、予想利益の分析は、いくつかのIPO専門の情報サイトがあるので、評価を確認しておいて、公募価格割れのリスクがある銘柄については、申込みを慎重に検討する必要があります。
10.具体的な申し込み方法(SBI証券)
SBI証券で、過去に、実際に申し込みをしたIPO株を参考までに案内します。。
※SBI証券の口座申込ページは下記ページから可能です。
(1)SBI証券にログインして、「取引」クリックする。


(2)「国内株式」の「IPO・PO」クリックする。


(3)申込したい企業の「ブックビル申込」の「申込」をクリックする。


(4)申込条件①から③を入力して、取引パスワードを入力する。


| ①申込株数 | 入金している金額の範囲で申込株数を入力します。 |
|---|---|
| ②価格 | ストライクプライス(どのような価格で決定しても購入する意思があることを示す価格)を選択します。(仮条件で低い価格で入力すると、申込に至らず、IPOチャレンジポイントも付与されないことがあるので注意してください) |
| ③IPOチャレンジポイント | 抽選で落選すると、IPOチャレンジポイントが1ポイント付与されます。付与されたポイントをためて、人気の高い銘柄時に利用して、上位者になれば当選する可能性があります。 |
| ④取引パスワード | ログインパスワードと異なるので注意してください。 |
(5)「申込」をクリックする。


これで「申込」は終了です。
(6)当選・落選を確認する。当選したら、購入する。
申込時に、必ず「抽選結果日時」と「購入意思表示期間」を確認して忘れないことが重要です。



(7)SBI証券の場合の確認方法
IPO株の当選後は、購入手続きを行ってはじめてご自身の権利になります。
下記の手続きをしないとその株式の権利を喪失してしまいます。
忘れずに下記の手続きをとりましょう。
ステップ1:当選メールの確認
SBI証券は、登録しているメールアドレスに当選のお知らせが届きます。
当選後は、購入手続きが必要になる証券会社がほとんどです。


ステップ2:当選したIPO株の購入手続き
(1)SBI証券にログインしたら、①取引、②国内株式、③IPO・PO、順でボタンをおします。


(2)申込をした株式の欄を確認すると、下記のように、「抽選結果」が「当選」、購入意思表示部分が、「当選株購入」と「辞退」と記載がありますので、「当選株購入」ボタンを押します。


(3)「当選株購入」ボタンを押すと下記の画面になります。「契約締結前交付書面を閲覧する」ボタンを押してPDFファイルを確認後、「内容を理解しました」ボタンを押します。


(4)下記の画面が表示されるので、「目論見書を閲覧する」ボタンを押して、PDFファイルを確認後、「内容を理解しました」ボタンを押します。


(5)当選株式数の入力を行います。契約している「預かり区分」の「購入意思株数」欄に購入する株式数を入力して、取引パスワードを入力します。


(6)「購入」ボタンを押して完了です。




ステップ3 上場日の市場がはじまる前に売り注文を行う。
上場日の市場が始まる前に、売り注文を行なって、初値で売ることができました。
11. まとめ:今日から始める「家計の新規事業」
IPO投資は、一度口座を開設し、習慣化してしまえば、あとは淡々と作業をこなすだけの「家計の副業」になります。
- IPOはローリスク・ハイリターンの「経営プロジェクト」
- 当選確率は「多角化」と「継続」で変えられる
- まずはSBI・マネックス・資金不要口座の3本柱でスタート



人生100年時代、会社からの給料以外の「収益源」を複数持つことは、最大の防御です。IPO投資という第一歩を踏み出し、あなたの「人生の経営計画」に新しい入り口を作ることを検討してみてください。







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