中小企業

【令和2年度3次補正】経済産業省約4.7兆円の予算案に関するポイント(補助金)

るるやま
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経済産業省の第3次補正予算全体で、4兆7,000億円の補正算案が発表されました。そのうち、中小企業支援に関係する支援策は、コロナ対策の継続に関するものが多いです。

 

本記事の内容

この記事を読んでいただくと、令和2年度の第3次補正予算のポイントが理解できます。
・令和2年度経済産業省の第3次補正予算のうち、中小企業支援に関する事業について理解できます。
・中小企業を顧客に持つビジネスを行う経営者やサラリーマンが、営業ツールとして情報提供できます。
経済産業省の資料

令和2年度補正予算のポイント

経済産業省と中小企業庁は、コロナの影響を受けている中小企業に対する資金繰りや業態転換を進める緊急対策に加えて、「デジタル」「グリーン」「レジリエンス」をキーワードに施策を立案しています。令和3年1月28日、令和2年度第3次補正予算が成立しました。

1.中小企業等事業再構築促進事業(1兆1,485億円)新規

新規事業分野への進出等の新分野展開、業態転換、事業・業種転換、事業再編又はこれらの取組を通じた規模の拡大等、思い切った事 業再構築に意欲を有する中小企業等の挑戦を支援します。
また、事業再構築を通じて中小企業等が事業規模を拡大し中堅企業に成 ⻑することや、海外展開を強化し市場の新規開拓を行うことが特に重要であることから、本事業ではこれらを志向する企業をより一層強力に支援します。
※中小企業等と認定支援機関や金融機関が共同で事業計画を策定し、両者が連携し一体となって取り組む事業再構築を支援

令和3年1月29日に詳細資料発表されました!

(1)対象要件
①申請前の直近6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前の同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少している中小企業等。
事業計画を認定支援機関や金融機関と策定し、一体となって事業再構築に取り組む中小企業等。
③補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均3.0%(一部5.0%)以上増加、 又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均3.0%(一部5.0%)以上増加の達成。

(2)補助金額・補助率

①中小企業100万円以上6,000万円以下(補助率2/3)
②中小企業(卒業枠)6,000万円超〜1億円以下(補助率2/3)
③中堅企業(通常枠)100万円以上8,000万円以下(1/2  4,000万円超は1/3)
④中堅企業(グローバルV字回復枠)8,000万円超〜1億円以下(補助率1/2)

②400社限定。事業計画期間内に、1)組織再編、2)新規設備投資、3)グローバル展開のいずれかにより、資本金又は従業員を増やし、中小企業から中堅企業へ成長する事業者向けの特別枠。
④100社限定。以下の要件を全て満たす中堅企業向けの特別枠。
1)直前6か月間のうち任意の3か月の合計売上高がコロナ以前の同3か月の合計売上高と比較して、 15%以上減少している中堅企業。
2)補助事業終了後3~5年で付加価値額又は従業員一人当たり付加価値額の年率5.0%以上増加を 達成すること。
3)グローバル展開を果たす事業であること。

 

2.⺠間金融機関を通じた資金繰り支援(1兆8,980億円)継続

新型コロナウイルス感染症により売上高が減少した中小・小規模事業者等に対して令和2年5月1日より開始した、都道府県等の制度融資を活用した⺠間金融機関による実質無利子・無担保、保証料補助について、年度末の資金需要の増加による日本公庫等の窓口ひっ迫に対応するため、令和3年3月まで実施されます。

日本政策金融公庫を通じた資金繰り支援(186億円)

事業転換やイノベーション等生産性向上に向けた設備投資や、事業再生・事業承継等に取り組む中小企業・小規模事業者の資金繰り支援を実施するために、日本政策金融公庫の財務基盤を強化します。

(1)設備資金貸付利率特例制度の概要
新事業やビジネスモデルの転換等、生産性向上に資する設備投資を実施する場 合の適用利率について、各貸付制度の適用利率から当初2年間▲0.5% 限度額:各貸付制度の限度額(中小事業7.2億円、国⺠事業7,200万円等) 金 利:各貸付制度の適用利率※から当初2年間▲0.5%

(2)企業再建資金、事業承継・集約・活性化支援資金の拡充
①企業再建資金 ・再生支援協議会等公的支援機関の関与の下、事業再生に取り組む事業者が必要とする設備・運転資金について、基準金利から▲0.9% ・認定支援機関による経営改善計画策定支援事業等を利用して経営改善に取り組む事業者が必要とする設備・運転資金について、基準金利から▲0.65%

②事業承継・集約・活性化支援資金・事業引継ぎ支援センター等の支援を受けて付加価値向上計画を策定し、事業の承継・集約を実施する場合、基準金利から▲0.65%・新型コロナウイルス感染症の影響による業況悪化により事業継続が困難となっている事業者から事業の承継・集約を実施する場合、基準金利から▲0.4% (小規模事業者から事業の承継・集約を実施する場合、基準利率から▲0.65%)

(3)観光産業等生産性向上資金の拡充
事業計画を策定し、生産性向上に向けた取組みを図る観光産業等を営む者が必要とする設備・運転資金について、基準金利から▲0.4%

※基準金利:中小事業1.11%、国⺠事業1.86%(担保の有無等によって適用利率は変動)

3.中小企業生産性革命推進事業の特別枠の改編(2,300億円)継続

新型コロナウイルス感染症の流行が継続している中で、現下及びポストコロナの状況に対応したビジネスモデルへの転換に向けた中小企業等の取組を支援するため、令和2年度一次・二次補正で措置した特別枠を新特別枠(低感染リスク型ビジネス枠)に改編されます。

(1)ものづくり・商業・サービス生産性向上促進事業(ものづくり補助金)
対人接触機会の減少に資する、製品開発、サービス開発、生産プロセスの改善に必要な設備投資、システム構築等を支援します。
(補助額:100万〜1,000万円、補助率:2/3)

(2)小規模事業者持続的発展支援事業(持続化補助金)
小規模事業者等が経営計画を作成して取り組む、ポストコロナを踏まえた新たなビジネスやサービス、生産プロセスの導入等の取組を支援し、その取組に資する感染防止対策への投資についても、一部支援します。 (補助上限:100万円、補助率:3/4 )
※補助対象経費のうち1/4を上限として感染防止対策を支援します。

(3)サービス等生産性向上IT導入支援事業(IT導入補助金)
複数の業務工程を広範囲に非対面化する業務形態の転換が可能なITツールの導入を支援します。また、この中において、テレワーク対応類型を設け、テレワーク用のクラウド対応したITツールを導入する取組を支援します。
(補助額:30万〜450万円(※)、補助率:2/3)※テレワーク対応類型は補助上限150万円

補助金申請システムの「Jグランツ」は、2020年の補助金申請からスタートした新たなシステムで、いつでもどこでも「電子申請」が可能になるものです。「GビズID」という申請者固有のIDを取得する必要があります。このIDは、法人共通の認証基盤として、今後普及促進を図っていく予定のようです。法人情報が保存されているので、申請のたびに、企業情報を入力する必要がなくなります。

本日のまとめ

中小企業の数は、357.8万者で日本全体の企業数に占める割合は、99.7%と非常に高いです。今日、記事に記載した支援策は、中小企業支援策のほんの一部に過ぎません。

ちなみに、利用可能な中小企業の定義は、下記の通りです。

中小企業の定義

業種定義
製造業・その他(ソフトウェアなど)資本金の額又は出資の総額が3億円以下の会社又は
常時使用する従業員の数が300人以下の会社及び個人
卸売業資本金の額又は出資の総額が1億円以下の会社又は
常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人
小売業資本金の額又は出資の総額が5千万円以下の会社又は
常時使用する従業員の数が50人以下の会社及び個人
サービス業資本金の額又は出資の総額が5千万円以下の会社又は
常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人

中小規模企業の定義 /]

小規模企業の定義

業種分類定義
製造業・その他従業員20人以下
商業・サービス業(商業は卸売業・小売業)従業員 5人以下

小規模企業の定義 /]

るるやま
るるやま
是非、ご自身のお客様に中小企業さんがいたら、まずは、①市役所や区役所の産業振興窓口か、都道府県の中小企業支援センターを教えてあげてください!!

今日も、記事をお読みいただき、ありがとうございました!
るるやま @ruruyamasan でした。